市指定文化財 ムクノキ(下津小学校)
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ムクノキはニレ科の落葉高木で、山地に自生する。この地方ではモクノキの方言で呼ばれ、社寺の境内等どこにでも見られる。黒く熟した果実は甘く、ムクドリ等が食べ種子が人家付近に散布される。ただし、ムクドリが実を食べるからムクノキというわけではなく、語源は不明である。またムクノキの葉はざらざらしていて、骨や角の細工を磨くのに用いられる。
下津小学校の北側、旧青木川堤防沿いに富士山信仰の対象となっていた富士塚があり、本樹はもともとこの富士塚の上に生えていたもので、道行く人々に「富士塚のムクノキ」として親しまれていた。また、地元では古くからの言い伝えが残っており一種の信仰の対象となってきた。しかし、土地改良事業のため旧青木川堤防が改修されるに伴って切り倒されることになったため、昭和50年2月に現在の場所に移植されたものである。
本樹の幹回りはすでに天然記念物に指定されている2件のムクノキに続く太さで、根元にはムクノキ特有のすばらしい板根が数箇所発達している。また、本樹の幹には蘚(ヒナノハイゴケ)が生えており、これは濃尾平野部では珍しく貴重なものである。

名称
ムクノキ

文化財区分
市指定文化財

種別
天然記念物

員数
1樹

管理者
下津小学校(オリヅショウガッコウ)

地区
下津

所在地
稲沢市下津ふじ塚町

指定・登録日
平成9年11月4日指定