稲沢のむかしばなし 馬供養地蔵(稲沢市片原一色町)
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稲沢市の西部にある片原一色町の「馬供養地蔵」のお話です。
パカッ、パカッ・・・・・・ヒヒーン。
むかし昔、下方にそれは足の速い馬がおったそうな。毎年おこなわれる競馬では、他の馬を大きく引きはなして、いつも一番だった。
村人たちは、その馬を村の宝みたいに思い、となりの村人に、たいそう自慢しておった。
ところがある日とつぜん、馬が足の骨を折ってしまい、看病のかいもなくとうとう死んでしまった。
村人たちは、そりゃあもう悲しんで、お地蔵様をたてて、毎年供養をしておった。
しかし、月日がたつにつれて、馬のことは次第に忘れられて、子どもたちの石投げのマトになったり、人々によって、石をけずられたりするようになった。
何年かたったある年のこと。
村の人たちが、次々とわけのわからん変な病気にかかった。
「うっうう・・・くくるしい。くるしい。誰かたすけてくれェ・・・あァ。」
村の医者はもとより。町の名医と言われる医者にみてもらっても首をかしげるばかりで、さっぱりわからんかった。
そこで、うらない師にみてもらうことになった。
「うーん。ジャン、ジャン、シャララ。じゃん。、これは、タタリじゃ。お前たちが、お地蔵様を粗末にしたタタリじゃー・・・。」
村人たちは、さっそく、お地蔵さまのところへ行って手をあわせた。そして、木立に囲まれた静かなところへうつし村中で供養した。
すると、今までの苦しい病気は、うそのようになおってしまった。