稲沢のむかしばなし 長野の養子さん(稲沢市長野町)
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稲沢東小学校のあるふきんが、長野町です。
ここには、万徳寺というお寺があり、鎮守堂(ちんじゅどう)や多宝塔などの重要文化財があります。
さいきんは新しい道路もでき、えきにちかいことから、住宅かいはつが、すすんでいます。
むかし、長野町のある家に、わかものがそのむすめさんとけっこんし、むこ養子として、入ってきました。
わかものとむすめさんは、なかよくくらしていました。でも、わかものは、おじいさんやおばあさんのいうことを、よくおもっていませんでした。
「じいさんやばあさんのいわれることは、どう考えてもおかしい。わしの考えの方が正しいのに、ぜんぜん聞いてもらえん。
こんな家に、どうして来てしまったんだろう。いっそのこと、この家を出てしまおうか。」
と、毎日思っていました。
そんなある日のこと。あたらしいしょうじをつけに、さしものやさんがやってきました。さしものやさんは家の中に入り、
「この家は、かなりかたむいているな。しかし、家はなおせんし、まあしょうじの上下をげずって、はめるか。」
そういいながら、カンナでシュウシュウと、けずりはじめました。
しばらくして、新しいしょうじはきっちりとはまり、らくにあけたりしめたりできるように、なりました。
このことを、見るともなしに見ていたわかもの、きゅうに気がついたように、
「あっ!そうか。わしも新しいしょうじといっしょだ。わしの考えはまちがってはいなかったけれど、この家の人にあわせようとしなかったんだ。これからはこのしょうじのように”カド”を少しづつけずって、みんなのことを考え、みんなに合わせるようにしなければ・・・・・・」
と、ひとりごとをいいました。
それからは、今まではなすことの少なかったおじいさん、おばあさんとも、何でも話すようになりました。
そうしたら、いつのまにか家の中が明るくなり、みんなが楽しくくらせるようになったということです。