稲沢のむかしばなし 赤池のいわれ(稲沢市赤池町)
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稲沢市の北東部にある赤池町の「赤池のいわれ」のおはなしです。
昔々、仕事帰りの馬子が三本池にさしかかると、きれいな娘が病気で苦しんでいました。
親切な馬子は、さっそく馬に乗せてやると、その娘は、たいそうよろこんで言いました。
「あなたのようなやさしい人をさがしておりました。あなたのおよめさんにしてください。」馬子もよろこんで、二人は仲の良い夫婦になり、幸せにくらしていました。
何年かたったある日のことです。となり村の狩人が、山奥の谷川で一羽の大きな白い鳥を見つけました。さっそく、鉄砲で「ズドーン」とうちました。しかし、鳥のすがたはかげも形もありません。
その夜、馬子が家に帰ると、女房は高いねつでねておりました。ま夜中のこと、女房がいないことに気がついた馬子は、あちこちさがし回るうちにぼうっと青白く光る三本池にきていました。ふしぎに思った馬子は、池の中できずぐちをあらっている女房を見つけました。おどろいた馬子は大声でさけびました。「おさと。」すると、女房のすがたはたちまちだいじゃとなり、すっと消えてしまいました。「おさとーおさとー」と何度も何度もよびましたが、とうとう気がくるった馬子は、女房こいしさのあまり、池に身をなげてしまいました。
つぎの日の朝、村人は血のようにまっ赤にそまった池にうかぶ馬子のすがたをみつけました。その時から、この三本池のあるあたりの地名を「赤池」と言うようになりました。