稲沢のむかしばなし 阿弥陀寺の焼打ち(稲沢市下津町)
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いまから400年ほど、むかしのことです。このころは、おさむらいどうしがけんかばかりしていました。その中に、とってもつよい織田信長という、おとのさまがおりました。これは、このおとのさまが、下津町にある、阿弥陀寺という、りっばなお寺をやいてしまうお話です。
下津村には、たくさんのお寺があり、今でも寺のつく地名が多くのこっています。その中の一つで、阿弥陀寺といって、今から700年前にたてられた、りっぱなお寺がありました。
その寺の近くには、織田信長というゆうめいな、おとのさまがいました。信長は、まわりの国々とたたかい、それはとても力のつよいおとのさまでした。おとのさまは、かくちのお寺などを大切にせず、外国のキリストきょうをまもりました。
おとのさまのすることにたいして、おぼうさんたちは、「とのさまは、日本人なのに、どうして外国の神様をまもるのか」、「しんでしまえ・・・」と心の中で思っていました。
だから、ぼうさんたちは、おとのさまのいいつけをまもらず、おとのさまのすることに、ことごとくはんたいしました。
そのうわさをきいたおさのさまは、「わしのめいれいをきかないお寺がそんなにおおくあるのか」と、けらいたちにききました。
おとのさまは、ぼうさんたちのしようとすることが気になり、けらいたちにめいれいをしました。
「下津村にあるお寺のようすをみてまいれ、そして、ぼうずたちが、どんな話をしているか、見つからないように聞いてまいれ」
けらいたちは、お寺のようすを見て帰り、そのようすをとのさまにつたえました。
「おとのさま・おとのさま。たいへんでございます。ぼうずたちが、おおぜいあつまって、おとのさまのわるくちをいっています」
おとのさまは、お寺にぼうずたちがあつまって、じぶんのわるくちをいっているのをきいて、かんかんにおこりました。
「もうがまんならん。くそぼうずどもを、ぜんぶまるやきにしてしまえ!」
「はい、わかりましたおとのさま」
と、けらいたちは、そのじゅんびにとりかかりました。
おとのさまは、けらいたちに言った。
「わしにさからうお寺は、ぜんぶもやしてまいれ」、「ハッ、ハッーかしこまりました。おとのさま」
とけらいたちは、下津村にある阿弥陀寺やあちらこちらの寺に、むかいました。
そのようすをみていた、あるおぼうさんは、「これはたいへんだ。たいへんだ。お寺やなかまがころされてしまう」ぼうさんは、けっそうをかえて、なかまに知らせるため、お寺にむかいました。
「わしにさからう者は、みんなやけてなくなれ」おとのまさまは、つぎから、つぎへとさからう寺をやきうちしはじめました。下津村の阿弥陀寺は、りっぱなお寺でした。しかし、おとのさまに、さからった寺の一つでもありました。
おとのさまは、「わしの城の近くにありながら、さからうとはゆるせん。阿弥陀寺もやいてしまえ」とめいれいしました。
こうして、寺は、おとのさまのいかりにふれ、たくさんのさむらいにせめられ、やきうちされてしまいました。
ほのおにつつまれた寺を見て、ぼうさんたちは、「おそろしいことじゃ。おとのさまはこわいお人じゃ」と足をブルブルふるわせながら、くちぐちにいいました。
そののちに、信長さまは、日本の中でも一番つよい、たいしょうになっていきました。