稲沢のむかしばなし さかえる下津の市(稲沢市下津町)
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今から600年ほど前のことです。
下津には、鎌倉街道という大きな道が通っていました。これは、今の下津のあたりのようすと、街道ぞうにできた「市」のお話です。
稲沢市の東の方に、青木川が流れています。この青木川の東には、一宮市丹陽町と春日村があります。むかしは下津の一部でした。
「市」とは、きまった日に、物ややさいなどを売ったり、交かんしたりするところです。また、そんな全体のようすを市とよんだりします。その決まった日を取って、市のあるところを「△日市場」とよんだのです。
今でも、青木川の東には、九日市場、五日市場という地名があります。このことは、むかし、「市」があったことを表わしています。このように考えると、地名もおもしろいものですね。
さて、下津ですが、下津には、鎌倉街道という大きな道が通っていました。この街道の両がわには、たくさんの家がたちならんでいました。月に一度、神社やお寺、広場などに近くのお百しょうさんやしょく人さんたちが、自分たちでつくったいろいろなものをならべて、店を出しました。
この市の日は、このあたりの人たちのまちにまった楽しい日曜日でした。
「わしも行く」、
「おれも行こうかな」
と、みんな着かざって、出かけました。遊び場やおもちゃなどの少ない時のことですので、みんな市へ出かけるのが楽しみでした。買い物をしたり、物と物を交かんしたり、世間話をしたり、それは楽しい一日でした。
むかしの古い本にも、この下津の市を中心にとても大きな町ができ、稲沢でも一番にぎやかな通りだったと、書かれています。
下津の市の日は、きっきりしてしませんが、馬市もあったそうですよ。でも、今は、宿場のあとや、市の名前がのこって、いるだけです。