熱傷(やけど)の時の応急手当
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熱の影響で皮膚が損傷したもので、高温の液体・気体・固体にさらされた場合や、低温でも長時間さらされていた場合などに起こります。

原因
みなさんの日常生活の中で、身近に存在します。
熱いシャワー、沸騰した風呂、コーヒー、ラーメン、蒸し器、アイロン、車やバイクのマフラー、ストーブ、使い捨てカイロ、こたつなどの暖房器具など。

重症度
重症の判断は、熱傷の広さ(面積)、深さ、部位、年齢などによって判断します。

広さ(面積)の調べ方
熱傷の面積を調べるうえで、最も簡単な方法として「手掌法」というものがあります。

測り方はとても簡単です。やけどした人の「手のひら」を体の表面積の1%として、やけどの面積を算出します。

その他に、大人に対しては「9の法則」「5の法則」があり、幼児・小児に対しては「5の法則」というものがあります。

大人

- 頭部 9%
- 胸腹部 18%
- 背部 18%
- 陰部 1%
- 両腕 18%
- 両足 36%
合計 100%

幼児・小児

- 頭部 20%
- 胸腹部 20%
- 背部 20%
- 両腕 20%
- 両足 20%
合計 100%

深さの判断
熱傷の深さを判断するのに、第1度(軽症)、第2度(中等症)、第3度(重症)の3段階で判断します。

第1度(軽症)
真夏の日焼けのように、肌が真っ赤になりひりひり痛い。

第2度(中等症)
水ぶくれができたり、破れたりして、強い痛みがある。

第3度(重症)
皮膚が乾いて硬くなり、黒くなっていたり、白色に変色していて痛みはさほど感じなくなる。

手当
熱傷は熱の作用が原因で起こるので、その原因である熱を取り除くため、できるだけ早く水道水で十分に冷やすことが大切です。冷やすことで熱傷による痛みを和らげ、水ぶくれなどの拡大を防ぐ効果があります。痛みが治まるまで冷やしましょう。

普通の熱傷の場合は、洗面器などに水道水を出しっ放しにし、溜まった水の中に患部を入れ、痛みがとれるまで十分に冷やします。おおよそ15分以上続けます。水ぶくれができている場合、つぶさないように注意します。

直接患部に水道水を当てないようにします。しかし、水を溜める容器がない場合は、ガーゼやハンカチなどで患部を覆い、その上から当てるようにします。

胸や腹などの体幹部の熱傷の場合は、清潔なガーゼやタオルなどを濡らして熱傷箇所を冷やし、タオルが温まったら、また水で冷やして当てなおします。

衣類などを着用したまま熱傷した場合は、すぐに衣服を脱がさず、その上から水道水をかけ冷却します。(慌てて衣服を脱がすことで、その下にできた水ぶくれを破らないようにするため)

気温が低い時、乳児・幼児・高齢者の広範囲な体幹部の熱傷では、冷やしすぎによる低体温に注意しましょう。体が震えているときは、保温をします。

化学薬品による熱傷

化学薬品による熱傷の場合は、衣服などはすぐに脱がせます。また、水ぶくれの中には、化学薬品が残っている可能性があるため、すぐに破り、大量の水道水で洗い流します。医療機関を受診する時、かかった薬品がわかるようにしておくと、治療に役立つと思われます。
ここで紹介した手当ては応急的なものですので、必ず医療機関で診察を受けるようにしてください。